雨の後の。。。まもあん幽奇譚「雨の後の。。。」 2004.06.21 2004年6月18日、15時頃、激しい雨が降ってきました。 その気配は感じていました。北に広がる暗黒の雲。どす黒いという表現がまことに当てはまる。 スカイトレインの列車を待つ間、自然、心拍数が上がっていく。 このままだと。 そう、雨の餌食になる。 列車がサイアム駅に入る。 バンコクの北モーチット駅方面から来た列車は濡れていました。 こちらは雨はまだ降っていない。列車が雨を追い抜かしてきた。そんな感じです。 さらに心焦り気味で列車に乗り込む。 雨は追いつきて来ない。しばし安堵。 いつもの駅に到着し、いつものコンビ二エンスに入り、昼食のつもりで冷凍ピザを2つ買う。ビデオの友のシンハービールも買う。 外ではアサヒビールのプロモーション。店員さんも薦めるが、ぼくは「時間がないから」と断る。店員さんも雨のことを感じる。外は灰色に染まりつつある。店を出る。しばし急ぎ足。遅かった。雨がぼくに追いついた。20秒後、本降りとなる。 自宅はすぐそば。ここは急いで走る。走る。走る。 自宅に着いたとき当然のごとく服は濡れていた。でもそれは前だけ。なぜかエレベーターの中の鏡で確認すると背中は濡れていなかった。本降りだったのに。 ちょんぷーさんが、目をぱちくりして向かえる。そして服を着替え、ピザを温める。 雨はさらに激しく降っていた。 30分ほど後、やんだ。 約束があったちょんぷーさんはそのタイミングで出かける用意。ぼくは一人で留守番。 ちょんぷーさんが隣の部屋で着替えている最中にそれに気がつく。 近くのビルの雨降りの後。強く濡れたところがまだ残っていた。 それは「前髪をたらし、うつむきかげんでこちらに向いていた」 皆さんには見えますか? 「前髪をたらし、うつむきかげんでこちらに向いている少女」を。 そして、ぼくは一人になった。 ビデオのスタートを押す。「24 シーズン2」が始まる。 そして「24」の「20:17」。 ビデオが止まった。エアコンが止まった。パソコンの電源ランプが緑から赤に変わった。 停電だ。 外を覗く。変化がよくわからない。通路の方で音が。多分、コンドミニアム全体が停電と感じる。 少し安心する。良かったエレベーターに乗っていなくて。 雨は上がったあと。 しかし、その25分に停電とは。 ぼくはベランダそばで新聞を広げ資料整理で時間を費やすことに。 「前髪をたらし、うつむきかげんでこちらに向いている少女」の正面で。 停電40分後、状況は変わらず。 少し疑い。我が家だけブレーカーが落ちた?一応確認。変化なし。 通路を覗く。照明はついている。これは非常用? でも自宅の電源は入らず。 そのときテレビの電源が入る。はっと、見る。 しかし次の瞬間消えていた。 不審に思う。 しばらくして、テレビの電源が入る。はっと、見る。 画面は黒いまま、主電源のランプのみ1,2秒光り、また消える。 他の電気製品は変わらず。ただテレビの主電源ランプのみが光り、沈黙する。 空気を読もうとする。 わからない。 そして、同じように主電源が一度瞬く。 また沈黙。 そして、照明がついた。テレビがついた。エアコンが動いた。 ぼくは息を吐く。 散らかった新聞を片付けにベランダそばに戻るぼく。 そして向かいのビルを見る。 少女は消えていた。 同日この文章をそのベランダを背に打ち込んでいました。23:38。一瞬、背筋が寒くなる。気のせいキーボードが打てない。霊を見ることがないぼく。ただ気配を感じる、と思い込んでいる自分。単なる怖がり?単なる気のせい? |